2017年10月28日

政治の秋が楽しい 時事道楽第16回

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10月も中旬になると、深センもようやく一年中一番過ごしやすい秋の季節。既定の19回党大会に、突然に降臨した安倍さんの「国難」突破の衆議院選挙。今日は過ぎたばかりの両大政治イベントについて少し。
批判的な目で見ると、共産党の大会は格式的で堅苦しのだが、衆議院選挙は劇場的で軽はずみが感じる。とは言え、結果的に
習近平主席にも安倍首相にもより政権の足場を固めたプロセスとなったなので、落着の向きが同じのようだ。日本も選挙の真っただ中にも関わらず、マスコミが党大会後に新たに選出される共産党の中枢、7名の政治局常務委員、所謂チャイナ・セブンをあてようと情報集中と分析にせいをだしていたが、成績では目も当てられないほど、散々なものでした。中国の情報規制が一段と強かったのか、日本メディアの情報力が衰えたのか、その両方なのか。
結果的に安倍与党の大勝利に終わった今回の選挙だが、経過は想像を超える波乱万丈ぶりに日本政治の創造力の豊かさに感服するばかりだ。まずは衆議院解散のネーミングだが、「国難」突破解散だそうだが、失業率2%完全雇用なのにね、別に今更大義名分を問いただすのではない、「国難」という情緒たっぷり言葉を使ってきた不敵さに驚いただけだ。
言葉の強さ加減が意外だったのはやはり小池都知事の「排除」でした。外人の僕でもその「排除」という言葉裏の傲慢さが読み取れました、ですが、話しの筋からいうと、基本的な理念が一致しないメンバーが一つになるべきではない、という政治家としてはごもっともな正論のような内容なのに、瞬間にリモコンのスッチを押されたように、演目が、「慢心の安倍にお灸を」から「冷酷なの女王に報いを」にと切り替わった。
安倍さんの突然の解散に触発されて、都議会選での大勝で波に乗った小池さん、希望の党を急造し打倒安倍の旗印を立て、そこに前原さんが、崩壊寸前の民進党が丸ごと押し込む。日本の政治評論家がだれ一人そのような奇想天外なシナリオ描けたのだろうか。そいう意味で両氏の想像力とチャレンジ精神について、大いに称賛すべきだと思う。敗れたことは仕方ないことだ、そもそも安倍さんが十分の勝算があってから挑んだ選挙でもある。
敢て言えば、小池さんが最終の勝利を確信したリーダーとして演じきれなかったことは、今回のような悲劇的な結果につながったのでは、と後から見て思ったが。前原さんからの再三の促しにも関わらず、自らの出馬に躊躇したことで、旗色が怪しくなり、数が大事なところ、面子にも拘り、野合と言われるには耐えがたいのか、「排除」という防衛本能を起動させ、生理的な反発を招く言葉を引き出されてしまった。
嫌みたっぷりの皮肉にしか聞こえないかもしれないが、退屈の日常を楽しませてくれたことには感謝すべきだ、僕は半分真面目にそう思う。是非今回の失敗にめげず、今後も大いに活躍してください。



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2017年09月14日

チキンゲーム敗者の弁 時事道楽第15回

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912日に安保理で北朝鮮への制裁決議案が採決されたことで

アメリカはそれを成果として、お茶を濁しますが、


勝負が既により前の段階でついていたのかもしれない。

例えば、一週間前、北朝鮮が水素爆弾を爆発させた時点だ。

北朝鮮が第6回核実験を強行しました。しかも水素爆弾で、

習近平主席の晴れ舞台のBRICSサミット開幕の日に

合わせったように行ったのだ。

日米の強烈の反発を嘲笑い、ついでに中国を当てこすり、

邪悪極まりで、けしからんだが、

大胆不敵、傍若無人、誇らしげにも見える。


● チキンゲーム

現在の北朝鮮の核危機は、

アメリカと北朝鮮、或いはトランプVS金正恩の

チキンゲームだとしたら、

実弾を使う金正恩の方がより真剣なプレヤーに見えて、

トランプのアメリカが大掛かりな芝居の感が否めない。

「なにをしてかすのかわからない」予測不能さが

威力の源泉にしているトランプだが、

閉ざされた、神秘的な北朝鮮をバックにする金正恩の方が

「予測不能」の本家本元のようだ。


戦時の在韓国のアメリカ人を緊急救出する演習とか、

最低でも渡航自粛の勧告のような話もまったく出でこないのでは、

幾ら空母を派遣し、爆撃機を周辺に飛ばしても、

すべての選択肢がテーブルの上にあるとは言えず、

まして威勢よく武力攻撃を匂わす発言をすべてはなかったのだろう。


●「いじめる姑よりも止めるふりをする小姑が憎たらしい」

金正恩は政治的に軍事的にアメリカと敵対しているが、

感情的に、生理的にアメリカより中国を憎んでいるのではないかと思う、

5月に北京で開かれたシルクロード経済圏構想「一帯一路」の国際会議

9月に杭州で開かれた20カ国地域(G20)首脳会議

に合わせて新式のミサイルを飛ばした。

そして今回のBRICSサミット開幕だ、

次回の挑発があるなら、

11月のトランプの中国訪問のタイミングに照準するだろうか


● 逃げるは恥だが役に立つ

別に偉大な金正恩将軍に、

習近平主席も、トランプ大統領もこてんぱんにやられた

ということ言いたいのではない。

中国初の核実験は64年で、最初の水爆は67年のことでした。

その後、冷戦が終結し、イデオロギーの争いが後退し、

グローバルに富を求めるのは正義とする時代になった。

時代遅れて50年とはいえ、

存亡を賭けて、核とミサイルを手にする

金正恩朝鮮の執念を軽視し続けた結果は今の厄介な局面だ。

それに相当の命懸けの覚悟がなければ、

チキンゲームにの安易に乗るべきではないということだ。


安保理今回の制裁決議案が妥協しすぎで、骨抜き、

北朝鮮にICBN大陸間弾道ミサイル技術に完成させる

時間の猶予を与えただけだ という意見もあります。

こういう見解もある意味正しいかもしれない。

が、水爆のカードを切った以上、

北朝鮮にもそうそう隠し玉が持っているとは思えない。

四六時中、挑発しては

周りも慣れって、ちょっとやそっとの脅しでは反映しなくなる。

それは案外金正恩にとってもっとも致命的かもしれない。


絶対の独裁者でない以上、民意を背負い、戦争を恐れ、

逃げ道を早々に用意するのは当然な反応だ。

北朝鮮に関する危機は、その自身の前時代の亡霊のような

血も涙もない卑劣な行いに起因するが

停戦協定を無視した在韓米米軍の存在から、

核不拡散体制の不条理にも遠因にあって、

そして、近年の国際対応の不甲斐さの積み重ねの結果だ。

地味で、退屈で、屈辱ですらある安全保障理事会の決意。

だが、全会一致で堅実に対応を積み重ねる以外、道がない。


チキンゲームの土俵から降りることは愉快な決断ではない

だが、それは危機解決に向かう方角へ

踏み出した大事な一歩になるはずだ。

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2017年06月03日

西陣営の文化大革命をもたらすトランプ大統領 時事道楽第14回

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立ち退きに抵抗する活動家に占拠された建物、厦門

「西側は縮小したか、少なくとも弱体化した」
ドイツのジグマル・ガブリエル(Sigmar Gabriel)外相は
29日トランプ大統領を批判した時を用いた言葉だ。

時にが同じくして、ドイツのメルケル首相も
「他国(アメリカ)に完全に頼る時代は終わりつつある」
珍しく踏み込ん発言で世界を驚かされたが、

そういえば、トランプ大統領の特徴のひとつに
欧米西陣営の筆頭アメリカの大統領という立ち位置ながら、
自由民主主義や人権、自由貿易など価値観に無関心というか、
理想主義のオバマ政権を行った政策が根こそぎから壊滅させていく
文化大革命的な反権威伝統価値の活動家に見えなくもない。
移民政策も、TPPも、北米自由貿易協定も、そしてパリ協定も然り。
ロシアのプーチンに愛を告白、フィリピンのドゥテルテで電話で歓談。
中国の習近平主席の心境を忖度しながら、
同盟国の安保、貿易政策を批判し、その指導者を名指しで罵て憚らず。
同盟軽視というより、同盟がアメリカをばかり損させていると思っているようだ。

まあ、どの国の政治も国益の最大化を追求する。
但し、同じことはは、ドイツフランスが「パリ協定」と解釈し、
中国は「一帯一路」と訳す。
トランプがあからさまに「アメリカ第一」と宣う。
ここまで来ると、
さすが、最忠誠な友人の日本でも苛立ちが募る、愚痴が漏らす。

トランプさんは世界になにをもたらすか、
まだ誰にもはっきり読み切れないでいるようだ。
彼が弾劾され、或いは4年後、新しい大統領となって、
西側が主導する秩序が現状回復できると思う人もそう多くないはず、
トランプ革命がまだしばらく続くことだけが言えるだろう。



ラベル:時事道楽
posted by daydayup at 13:39| Comment(0) | 時事 | 更新情報をチェックする