2016年10月28日

型破り、革命家?比ドゥテルテ大統領が熱い 時事道楽第13回

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アメリカの大統領選挙戦の最中の本家のトランプ氏を差し置いて、

フィリピンのトランプと評された大統領ドゥテルテが

その放言、暴言とともに、時事報道の世界をにぎわせている。

こりゃ~、面白い。

時事好きの僕とはいえ、時にこの様なドラマチックな展開がないと

関心を持ち続けることは難しい。

(今日の天気は晴れで、今日も日替わりランチは鯖の塩焼き、

今日のドゥテルテ吐いた暴言は・・・


さすがに、ここまで、意思表示が二転三転、爆弾発言が量産すると、

取り巻きの利害関係者も、

一々真に受けって一喜一憂するのもたまったものではないと諦めるが、

なんにせよ、それでも、大国利益紛争最前線の地の大統領なので、

止まらない、懲りない、飽もしない放言から、

その真意をなんとか読み取れたい努力は涙ぐましい。


特にドゥテルテ氏が酷いと指摘したいのではない、

どこか、憎まないタイプのようにも感じる。

オバマ大統領を放送禁止用語で罵り、

国連の潘基文事務総長をも「ばか者」呼ばわりのだから、

まるで反権威の紅衛兵、Tシャツに印刷される革命家を想起させる。


多少の演出もリップサービス精神過剰に由来するが、

それは、やはり性格というしかない部分もあるでしょう、

言い過ぎと言われたら、、釈明すればいい、釈明の端からまた放言する。


しかし、その大統領就任以来の言動を観察すると、

メディアが暴言だ、暴言だと騒いているほど、狂っていない。

狂っていないところか、むしろ、旗色が鮮明だ。


まずは、非常手段による違法薬物犯罪の取締だ。

それは、ドゥテルテ氏の政策の根本で、

アイデンティティ、成功体験、聖域だ。

だから、これに関して批評が一切受け付けない、

ケチ付けるなら、相手がだれであれ罵倒した。

着任早々、違法薬物犯罪の取締の公約を実行した。

無論、公約の中身に賛否両論があるだろう、

公約を堅実に履行する姿勢がまともの政治家の鏡だ。


次は、反米の姿勢がブレず一貫している


反米というより嫌悪のような生理的な拒否反応に見える。

たた短気で怒りっぽい、

売られた喧嘩が言い値で買い取る性格だけではない。

因縁の詳細イマイチわかりませんが

アメリカに関する質問に必ず引っかるようだ、

質問しなくでも、自分から切り出すくらい。

少しでも嫌味を入れ、

「アメリカの〇〇が、大統領の政策について△△と言いましたが、どう思い・・・

恐らく、質問完了する間もなく、暴言が炸裂。


三つ目はっきりしているが、中国傾斜だ。

領土問題で、同盟だ、同じ価値観だなか言われて

日米にチヤホヤされるより、

どうせ中国に簡単に折れそうにないから、

中国が南シナ海仲裁判決に困っているうちに

さっさとそれを2兆円の経済支援に換金してしまおう。

 「屹然に対応する」という金科玉条に拘泥すると

とっても月並みの優等生政治家ができる真似ではない。


日本訪問が終えたばかりのドゥテルテ大統領、

訪問中のは親日家の側面も見せて、日本との協力も約束した。

しかしその「親中疎米」ぶりが鮮明になった以上、

日本も今までの戦略の見直しをせまられそうだ。


11月、恐らく、

世界はもうひとりのビッグマウスの運命に関心が集めるだろう。

トランプ大統領でも誕生すれば、

2兆円くらいの騒ぎではすまされない。



ラベル:時事道楽
posted by daydayup at 02:37| Comment(0) | 時事 | 更新情報をチェックする

2016年05月19日

中国社会問題の縮図「魏則西事件」時事道楽第12回

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木の皮の写真(本文と関連ありません)

「人間の最大の悪とは」

先月の412日、究極の問を残して、

大学生魏則西さん、21歳の若さでこの世を去った。


驚異的な忘却力を有する中国のネット社会も、

今回の件に少しばかり未練を見せていた。


まず、事件の概略から、

陝西省西安の大学生魏則西さんが、難病の癌が患った。

魏さんと両親がネット検索で、

検索結果にトップ表示された軍系列の病院を信頼し、

借金までして20万元(約320万円)の大金を支払って、

最新療法の「腫瘤生物免疫療法」に最後の望みを掛けた。

が、しかし、治療の効果が確認できず、4月12日になくなった。

魏さんは独自の調べで、

自身をうけた「腫瘤生物免疫療法」が詐欺であることを付止めた、

スタンフォードとの共同開発は真っ赤な嘘で、

技術としても、効率の悪さが判明し、臨床なるまでもなく

アメリカ20年前に淘汰されたものだった。


魏さんは亡くなる直前、その経緯をネット掲示板に

「人間の最大の悪とは何だと思う?」というスレッドに投稿したので、

魏さん死後、ネットの議論が沸騰し、社会的な暗部が次々と暴かれ、

大きな社会事件として「魏則西事件」と称するようになった。


悪意を満ちた虚偽情報を氾濫する社会背景において、

癌など難病の患者をくいものにした治療詐欺が明るみに出ることは、

怒り心頭になっても、特に驚かない。

巷の話題にのぼって、二日ほど、消え去り、何もなかったのように。

われわれのこのような社会的な出来事をハンバーガーや牛丼のように

特段感慨することなく、効率よく消費している。


が、今回の件は、直ぐに消化されずに社会的な事件に発展した。

中国IT企業の代表格「百度」、提供すサービスであるネット検索、

その検索結果表示順番を競売にかけて、大金をかせいでいた。

公立病院の中でも、一段と人々から信頼されている軍系列な総合病院、

あろうことか、名称と場所を悪質な医療詐欺グループに提供した。

そして、悪名高くでも、詐欺的、時に詐欺同然治療行為で急速な発展を遂げ、

民営病院全体を牛耳る一大勢力 莆田系。


幾ら、社会的知見豊富で、十分な警戒意識を有しているとしても、

社会生活を営む以上、なにを信じなければならない。

病気にかかった時がとくにだ。


日本的に例えると、名古屋のある大学生山田さん、

X型癌の末期であった。

途方にくれた山田さんがYahooJPでx型癌を詮索した。

すると、検索の結果の一位に 

東京の有名の国立病院にアメリカスタンフォードと共同開発した、

80%以上の成功率最新治療法が紹介された。

しかも、この治療法の担任する先生は、

何回もNHKに出演した有名の方で、

この方との面談で、余命20年以上問題なしといわれたら、

山田さんがどうするのでしょうか。


そいえば、今回「百度」に対する批判が前例なく凄かっただが、

詐欺療法の担当医師何度も出演させたCCTV中央テレビについて

正面からの指摘が見られなかった。


試しに、百度に 「白血病」「魏則西」を検索して見ました。

すると「白血病」というページ、お馴染みの紛らわしい広告や、

何時も検索結果の上位に出没医療機構も影をひそめた。

そして「魏則西」の検査結果に、

事件の経緯、百度への批判も含めた文章が並べました。


魏さんが掲示板に発表した文章も読みました、

非常に冷静と抑制を働いた文章でした。

事実のみ記述し、この様な詐欺にだまされないように呼びかけた。

それだけの内容だ。

だが、その文書に淡々と表現した親への思いに触れて、

僕は涙を流さずにいられなかったのだ。


ご冥福をお祈りします。

ラベル:中国社会
posted by daydayup at 00:48| Comment(2) | 時事 | 更新情報をチェックする

2016年05月10日

トランプ氏と田母神氏と抗日神劇 そしてドゥテルテ氏を並べてみる 時事道楽第11回

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アメリカ・コロラド川(フーバーダム)

ついに、米大統領選挙、共和党候補指名を確実にしたトランプ氏。

その放言、暴言をも乗せて、世界規模の騒動に発展し、

11月の本選挙を待たず、歴史的な出来事の様相を呈している。


少なくとも、共和党、アメリカ、そして世界に、

真実の不都合な一面を赤裸々に見せつけ、

居心地のわるそうな厄介な課題を提示してくれたことに、

トランプ氏に感謝すべきかもしれません。

世界中のメディアに悪評され、

現職の大統領から名だたる政治界の重鎮から手厳しく批判されるが、

苛立つ共和党と主流社会を尻目に、

まるで自身への嫌悪を個人の魅力に転換できる魔法が有しているように、

トランプ氏への狂熱の支持が全米に広がっていた。


話が少しずれますが、トランプ氏の記事をみて、

思い出すのは元航空幕僚長田母神俊雄氏のことだ。

今は選挙資金不正で、特捜部沙汰、逮捕されていたが。

元自衛隊の高官ながら、

所謂ネット右翼にも顔負けな過激言論をで

主流メディアから危険人物のスタンプを押さたが、

2014年の東京都知事選挙では、61万票を獲得して、

日本社会を驚かせたことは記憶に新しい。


そして、若干とっぴかもしれないが、中国の所謂「抗日神劇」を連想した。

ようやく、最近になって燃え尽きたように終焉を迎えたようだが、

奇抜さだけを競うように作られ、

数年間で氾濫した中国の抗日ドラマブームのことだ。

が、そのようなドラマが最初に作られた時から、

宣伝主管部門や、主流メディア、党のトップからも批判され、

荒誕、低俗、中国の立場を貶める、とまで指摘したにも関わらずだ。

下火になるまでは、数年の時間が要した。


如何に、田母神俊雄氏の思想と言動が気に食わない人でも、

61万票を正面から批判することができない、

自由民主を標榜する国はそういう仕様になっているようだ。


中国でも、看過できない、低俗で見ていられないとインテリ層が考えても、

一応の市場経済とこの手のドラマを消費し、希求する底流のような力に、

嘆く以外何もできなかったのだ。


トランプ氏と田母神氏と抗日神劇、三つの事項を並べるのは、

恐らく、僕はそこに通低するポピュリズムを指摘する予定のであろう。

グローバルの潮流、富の集中、経済発展に取り残された人々、

ナショナリズム、排外主義、それに迎合する政治家、文化産業、

悪しきポピュリズムが蔓延る現在社会に警鐘、みたいな。


でも、やはり、トランプ氏騒動の方が、次元が違うかもしれない。

元幕僚長も抗日神劇もどう騒いても、

しょせん、ドメスティック範疇の問題だ。

並列するにはトランプ氏に失礼のでは、格が違く


偉大なアメリカの共和党の候補が大統領になったら、

メキシコ国境に万里の長城ができ、ムスリムの人々の入国が阻止され、

中国に製品に40%の特別関税をかけられ、

日本と韓国は核武装するかもしれないから、・・・

できの悪い冗談のようだが、冗談ではすまされない。


ここまで書いたところ、フィリピン大統領選挙、

フィリピンのトランプと呼ばれる、ドゥテルテ氏が

大勝する見通しのニュースが入りました。

うん、ここ数年間、先進国と途上国で、

それぞれ最強な経済成長を実現してきた、アメリカとフィリピン、

それぞれ社会の底流に怒涛のような怒りを集め、

反現有体制、反既得権益、を唱える候補が人気を博した、というわけだ。


ダラダラと述べました、結論が用意できていない。

敢えて纏めるなら、以上並べた4つの事項が、

僕の恣意とこじつけを差し引いても、

興味深い示唆を提示してくれた、と思う

継続注目していきましょう。

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posted by daydayup at 21:34| Comment(0) | 時事 | 更新情報をチェックする