2015年11月15日

パリ同時多発テロ 自由の国の試練 時事道楽第10回

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13日パリ中心部のバタクラン劇場を始め6か所の娯楽施設、レストランなどに乱射と自爆による同時テロ襲撃が発生しました。被害者120人以上に登り、容疑者も8人自爆などで死亡した。過激組織「イスラム国」が犯行声明を出した。
オランド仏大統領は今回のテロに対して、ISイスラム国がフランス国内の支援を得て組織した「戦争行為」と述べた。
最初の報道を見ていくつかの事件を連想した。同時多発テロでもいろいろ起きたが、西社会の中枢でいうと911だ。それほど重大な事件だ。そして10月31日で起きたエジプト•シナイ半島ロシア旅客機墜落事件、同じくISが犯行声明が出している。1月7日に風刺週間誌のシャルリー•エブド社襲撃事件、同じくパリで起きたのだ。
前回ロシア旅客機墜落事件の時はまだ半信半疑でしたが、今回パリの件ではそれはより明確になった。ややもすると、世間はIS(イスラム国)の脅威を過小評価していたのかもしれません。空爆や無人機によるピンポイント打撃を続けばいずれその勢いをしぼんでいく、大した脅威ではなくなるだろう、かつてのアルカイダのようにとそう漠然考えていたかもしれません。勿論、犯行声明が出たからISの犯行とは限れません。今回でも若干遅れたタイミングでの声明だし、フランス国内のシンパが主導した可能性もあるはず。
だが、どっちにしても問題が厄介だ、中東、アフリカ移民が多く、ISやアルカイダの支持者、同情者を多く抱えるフランスは特にそうだ。
911の状況と類似するが、フランスはかつてアメリカのようにイラク戦争、アフガン戦争と挑むことはないでしょう。それはフランスだけの問題でもない。難民受け入れ問題も絡んで、自由移動する欧州諸国の問題だけでもない、明日15日トルコでG20(20カ国•地域)首脳会議が開かれます。フランスへの連帯表明とともにテロ対策も最重要議題になるだろう、まずそこを注目しましょう。



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2015年11月13日

世紀の会談「習馬会」に思うあれこれ 時事道楽第9回

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「習馬会」というのは勿論どこかのスポーツクラブの名称ではなく、
11月7日シンガポールで中国の習近平さんと台湾の馬英九さんが行った会談の北京側の呼び方なのだ。
賛否両論があるとして、歴史的な事件であるには異論がないようだ。
直前まで極秘に進められていたので、新聞紙暴露されるまで、それを予見した人は誰1人もいなかった。ビグサプライズでもあったわけだ。時事好きの僕を大いに満足して、そして高く評価した。
素晴らしいなことじゃないか、世紀の怨念と齟齬を乗り越え、固い握手、談笑中酌み交わすさかずき。美談その上ない。僕は嫁姑の突然の和解を横目に見る気弱い長男の心境だ。李光耀(リークアンユー)先生に是非見せたい絵になる光景だ。
が、しかしだ。
台湾がもとより、国内の大々的の報道にも、どこかと白けた感がある。
気のせいかもしれないが、来年一月に重要な台湾の総統選挙が控えているので、
どうしても投機的だとかなんとか、矮小されてしまいがちなのようだ。
しかも、世論調査では、民進党を率いる蔡英文氏が大きくリードをしている。国民党の馬英九さんは中国との関係改善を図り支持を集めて、独立派を退潮させた。今度は独立志向を封印し、反中国の色を薄めた民進党の蔡英文さんは、中国との急接近に不安強める世論に乗り、選挙戦を優位に進めている。ややこしい構図だ。
歴史的な会談ではあるが、その瞬間歴史が動いたとなるのかは、もう少し歳月が流せてみないとわからない。

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2015年08月31日

右往左往する中国経済運営、時事道楽第8回

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ビル群の手前に広がるさら地は前海特区

立ち往生の苦境、支離滅裂政策とメッセージ

そう言いたいところだが、

究極な矛盾総合体に立ち向かう習近平さんへの敬意、

そして世界を肺炎に陥れた中国経済のくしゃみに恐れ入った心境によって、

右往左往という表現に落ち着きました。


久しぶりの時事道楽ですが、

今回は中国の人民元や経済施策について少し、

中国発の世界同時株安が、

週末になるにつれ、落ち着きの様相を見せていた。

そう、はっきりいうと、

誇りに思ったよ、中国はいつからこんな影響力があったのだ?

資源効率悪く、コモディティ市場に影響するのはわかるが

為替市場もそうだが、たかだか4%ぐらいですよ、

買いかぶり?中国叩き?中国バブル崩壊恐怖症候群?

いずれにしても、ダウ平均、ナスダックの壟断を破り、

上海総合指数の台頭はダイバーシティの視点から悪いことではない。

が、しかし、中国の景気の悪化が一層鮮明になっている、

その経済政策は動揺しているように右往左往している、

それも事実だ、贔屓目で見ても。


世界経済騒がして、思わぬ影響力を振るった一連の騒ぎの発端は

8月11日からの人民元の切り下げだった。

全球の株式市場、外国為替市場、コモディティ市場の全て過敏に反応した。

無理もない、この様なあからさまな切り下げは実に20年ぶりであったのだ。


人民元はドル、円のように完全の自由売買が出来ていない、

代わりにドルにソフトペック制が採用されていて、

強いドルに釣られて最近が割高感が出ている。

表向き、今回の切り下げは、

このソフトペック制度より市場に任せる方向の改革に乗っかって実施した。

元安による輸出テコ入れの下心丸出しにもかかわらず、

IMF始め、多くの方面から好意的にに受け取れたのもこのためだ。


勿論、問題の焦点は、これを皮切りに元安が続くか否かだ。

資本流出を恐れて、当面、当局むしろドル売介入していたが、

中長期的に、実経済の軟調に相応な元安が進行するだろうと予想するのだが


論理を立ってて論じることが無理だが、なぜそう感じたのかを幾つ説明できる。

例えば、最近ではいっときもてはやされた「新常態ニューノーマル」という話が

ほとんど提起されなくなった。

後退色濃くの実経済が常態と呼ぶには忍びないぐらい深刻なのだ、

だが、バブルの刺激と財務の膨張のを恐れて、

小出しの金融政策だけでは景気が救えないことは

15年の現状が如実に証明された。

7月の輸出も去年比8.3%減と予想を超えた大幅のお落ち込み、

景気後退が加速、改革に困難が極め、中産階級もAIIBも間に合わない、

四面楚歌、だとすると、

速効薬は通貨を下げて、輸出を拡大するにしかない。

どこからどう見ても、明らかな真理だ。が、

そして三年前の日本を見てもいい、

財政再建か、景気刺激かの論争が二十年以上を続き、

瀕死な経済状況にも関わらず、

超円高に企業が苦しんでいる不思議の光景があった。

「アベノミクス」なんか最初から存在していない、

安倍さん成功したのは唯単純に、

不況通貨高という矛盾を是正しただけなことだ、

つまり、紙幣を刷って、円を切り下げた。それだけのことだ。

日本が財政再建優先し、構造改革を断行すべきだ、と

私がずっとそう深く信じてうたがわなかった、

国債を膨らみ、景気対策を口実にバラ撒きに走る政治家に

軽蔑な視線を送り続けたのだ、

が、結局は通貨が切り下げれば、すべてうまくいった。

うそのように、

すくなくとも私の目には、そういう風に映ったのだ。

ちなみに、2013年のアベノミクスの施策から

円は人民元に対して40%以上下げている。


中国人民銀行(中央銀行)が最近一年ほど、

景気対策、株価対策と色々策に必死で、

その姿勢が評価されて、「央妈」という愛称をつけた。

母さんのような中央銀行、

景気の先行きに腐心し、投資家の境遇に肝を潰され、

世話焼きババか、ん?なんというほのぼのの関係。

だが、この「央妈」にかぎらず、

国民にも、海外投資家にも厚い信頼を寄せっている

経済運営当局に矛盾に満ちた右往左往ぶりに、

目を覆いたくなる気持ちだ。


通貨戦争を発動される悪名をせおいながら、

今は、ドル売り、元買いの介入に必死ですよ、

それほど酷いことありますか。

株式市場への対応について、より理解に苦しく。

上海総合指数が4000点にのぼり、

市場が「バブル」の疑惑がささやかされ始めた4月のごろには、

国営新華社は、

輝かしい未来がこれからとの論評を発表されて、

お墨付きを得た株価があっという間に5000点を超え、

そこで不意に市場融資の規制に走ったせいで、急落。

4000点付近を戻るとまた慌てふためく「救市」を行い、

市場を無視し手段をえらばずに数兆元の資金をつぎ込んたと思いきや、

急に市場に任せる姿勢に転換したように見え、

それで先週についに自由落下式に、3000点を割り込んだ始末。


実態経済が冴えないなか、

株高を後押ししたのは、いうまでもなく、

個人消費の創出のためだが、

株価が上がり続けるのと断定する根拠として、

中国政府は鋭意に全面な改革の断行していることが挙げられた。

管理から市場へ、投資から個人消費牽引の改革を実施すれば、

暫らく耐えれば、景気がよくなる、そう言う筋書きでした。


概ね、間違っていること言っていない、改革、進むべき正しい方向だ。

しかも、有言実行と言って良い、賛辞を送る。

だが、その肝心の改革にも多くの矛盾メッセージを発しているのも事実。

株価対応と同じように市場にふったり、

混乱を生じると管理と行政命令に戻さりした。

その典型は地方の財政改革だ、今回が割愛します。

今回が長くなりました、着地点を考えよう

自分が何を言いたいのか、この段階が明確ではない。


いや、単に政府を批判したいのではない

所持株の目減り由来する嫌味、愚痴したいのもあるが

それだけではない、


今日は習近平さん肝いりの「前海」特区中の特区に行ってきた。

習近平さんから依頼されたのわけではない、当たり前だが。

あちこち区切られて、突貫工事が進められているように見えるが、

全体的にはまた広大な更地でしかなかった。

特区の入口にある総合施設でも閑散とした雰囲気であった。


改革開放と同時に小さいな漁村から発展し

今では北京、上海と肩を並べるようになった深セン

その深セン経済特区の発展はこれまで中国モデル成功の典型だ。

が、そのはあくまで、結果論だ。

深センの発展途中では、中央から内陸の地方まで、

それを懐疑、否定、嘲笑、批判が絶えることがなかった。


今日、その特区中の特区と名を馳せた「前海」に見て感じるのは、

その不確定性、その「迷い」なのだ。何処が特別なのか、

なにが創造的なのか、分かりづらいのだ。


(ちょっと無理があるが、纏めに入ります)

走りながら考えるのは中国流だとすれば、

その走る姿に困惑が隠せなくなった。

深セン特区の政策と経験が全国の津々浦々まで広げた段階で、

伝統意味上の「改革開放」政策が一段落したと理解できる。

もう、かつての深センのようなロードモデルが存在しない。

市場、個人、消費、民生、法、抽象な方向性しかない。

だから、支離滅裂でも、立ち往生でも、右往左往でも上等だと思う、

前に向いて改革の試行錯誤を絶やさないうちに、

ぜひそうしてほしい。


どうしでも辛くなったら、

「シュキンペノミクス」と称して人民元を下げよう、

なに?

日本がうるさいだって、

心配ない、私が電話してやるから・・・

posted by daydayup at 02:32| Comment(0) | 時事 | 更新情報をチェックする