アメリカの大統領選挙戦の最中の本家のトランプ氏を差し置いて、
フィリピンのトランプと評された大統領ドゥテルテが
その放言、暴言とともに、時事報道の世界をにぎわせている。
こりゃ~、面白い。
時事好きの僕とはいえ、時にこの様なドラマチックな展開がないと
関心を持ち続けることは難しい。
(今日の天気は晴れで、今日も日替わりランチは鯖の塩焼き、
今日のドゥテルテ吐いた暴言は・・・)
さすがに、ここまで、意思表示が二転三転、爆弾発言が量産すると、
取り巻きの利害関係者も、
一々真に受けって一喜一憂するのもたまったものではないと諦めるが、
なんにせよ、それでも、大国利益紛争最前線の地の大統領なので、
止まらない、懲りない、飽もしない放言から、
その真意をなんとか読み取れたい努力は涙ぐましい。
特にドゥテルテ氏が酷いと指摘したいのではない、
どこか、憎まないタイプのようにも感じる。
オバマ大統領を放送禁止用語で罵り、
国連の潘基文事務総長をも「ばか者」呼ばわりのだから、
まるで反権威の紅衛兵、Tシャツに印刷される革命家を想起させる。
多少の演出もリップサービス精神過剰に由来するが、
それは、やはり性格というしかない部分もあるでしょう、
言い過ぎと言われたら、、釈明すればいい、釈明の端からまた放言する。
しかし、その大統領就任以来の言動を観察すると、
メディアが暴言だ、暴言だと騒いているほど、狂っていない。
狂っていないところか、むしろ、旗色が鮮明だ。
まずは、非常手段による違法薬物犯罪の取締だ。
それは、ドゥテルテ氏の政策の根本で、
アイデンティティ、成功体験、聖域だ。
だから、これに関して批評が一切受け付けない、
ケチ付けるなら、相手がだれであれ罵倒した。
着任早々、違法薬物犯罪の取締の公約を実行した。
無論、公約の中身に賛否両論があるだろう、
公約を堅実に履行する姿勢がまともの政治家の鏡だ。
次は、反米の姿勢がブレず一貫している
反米というより嫌悪のような生理的な拒否反応に見える。
たた短気で怒りっぽい、
売られた喧嘩が言い値で買い取る性格だけではない。
因縁の詳細イマイチわかりませんが
アメリカに関する質問に必ず引っかるようだ、
質問しなくでも、自分から切り出すくらい。
少しでも嫌味を入れ、
「アメリカの〇〇が、大統領の政策について△△と言いましたが、どう思い・・・」
恐らく、質問完了する間もなく、暴言が炸裂。
三つ目はっきりしているが、中国傾斜だ。
領土問題で、同盟だ、同じ価値観だなか言われて
日米にチヤホヤされるより、
どうせ中国に簡単に折れそうにないから、
中国が南シナ海仲裁判決に困っているうちに
さっさとそれを2兆円の経済支援に換金してしまおう。
「屹然に対応する」という金科玉条に拘泥すると
とっても月並みの優等生政治家ができる真似ではない。
日本訪問が終えたばかりのドゥテルテ大統領、
訪問中のは親日家の側面も見せて、日本との協力も約束した。
しかしその「親中疎米」ぶりが鮮明になった以上、
日本も今までの戦略の見直しをせまられそうだ。
11月、恐らく、
世界はもうひとりのビッグマウスの運命に関心が集めるだろう。
トランプ大統領でも誕生すれば、
2兆円くらいの騒ぎではすまされない。